「てんぞきょうくん」と読む。
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佛家に本より六知事あり。共に佛子たり、同じく佛事を作す。中に就いて典座の一職は是れ 衆僧の弁食を掌る。『禅苑清規』に云く、「衆僧を供養するが故に典座あり」と。古より道心の師僧、発心の高士充て来るの職なり。蓋し一色の弁道に猶き歟。若し道心無き者は、徒らに辛苦を労して畢竟益無し。 佛道修業の道場には昔から６つの役職がある。ともに仏弟子であり、同じように人を教化し仏を供養する。その中で典座という職務は、修業僧たちの食事を作りととのえることをつかさどる。『禅苑清規』 には、「多くの修業僧たちを供養するために典座がある」と言っている。昔から仏道を求める心（菩提心）をおこした師僧やすぐれた人が、つとめてこられた職である。というのも、（典座の役職そのものが）全身心をあげ ての仏道修業だからである。もし、仏道を求める心のないものが典座職につくと、ただ苦労するだけであり、結局なんの得るところもない。 |
典座は，禅の修行道場で修行僧たちの食事を作りととのえることを司る役。典座教訓は，典座の役割の重要さやその心構えが述べられている。
「典座以絆為道心（典座は絆（たすき）を以（も）て道心と為す）」と言われるように，典座職は，悟りを求める深い心（道心，発心＝発菩提心）をおこした人たちだけが，充てられてきた職であり，また，仏道修行そのものである。